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って言っても数日家を空けてたのでネタが無いw
とりあえずLLファイル2のボツ稿でも。
○ファイル2の3冒頭、葛葉チームがブラオの工場襲撃した場面のテイク1
「駄目ですねー。たしかに違法ドールだし、戦闘型っちゃそう言えなくもないですけど、ちゃっちいって言うか、無茶苦茶っていうか。AMドールに武器くっつけただけって感じです」
ドールの改造工場らしき雑然とした大部屋の真ん中に立って、腰に手を当てたマキノが盛大に溜息をついた。周囲に転がっているのはドールパーツや改造武器、電子部品などで、それらは全てマキノが辺りを引っくり返して検分した後のものである。廃倉庫の一つを改造して作られたそこは、近年になってアキツに進出してきた犯罪集団が有する建物の一つだ。小型無線通信機のヘッドセットを介して状況を報告したマキノに、管理棟の幹部部屋へ行った山寺が答えた。
『と、いう事だぜ隊長殿。此処の責任者らしい奴も尋問してみたが、作ってやがったのは実際、AMドールの違法改造品だけらしい。』
『ああ、こっちにある『材料』もAMドールしか見当たらねぇ。どうやら、チンピラの作ったパチモンばっかみてえだな』
山寺に続いて、通信機のイヤホンから詰まらなさそうな禾熾の声がマキノの耳に届く。更に、何かを蹴飛ばしたらしい派手な音もマイクが拾った。作戦行動中とは思えないのんびりとした無線会話である。それもその筈で、このアジトで自由に動ける者は彼ら四人以外には既におらず、外部からも完全に隔離、孤立させられた後であった。つまりは、完全制圧が既に完了しているのである。
『ただ、此処にお客さんしに来てたらしい幹部が一人、面白い事を教えてくれたんでね、ハルがそっちを確認してる。下の用が済んだようならコッチ来てくれや』
明らかに落胆している様子の禾熾を宥めるように、山寺が明るい口調で言った。それに答えてハルが軽く返事をする。どうやらまだ続きがあるらしい、そう喜んだのはマキノもだった。
『了解、俺がマキノ拾ってそっちに上がるわ。マキノ、お前のいる倉庫の前で合流しよう。五番だったよな』
ハルは山寺と共に管理棟へ行き、ライフラインの切断や証拠データの検索を行っていた。かなり高能力のヒュプノシス(催眠能力者)で一度に多くの人間を幻惑に嵌めることが出来る山寺と、隊の中では最も電算機に明るいハルが組んで管理棟を、暴れるのが得意な近接戦闘型の禾熾とマキノが工場・倉庫を担当したのだ。とは言え今回、元々このアジトに深夜詰めている人員は少なかった上、派手に禾熾が暴れたためにマキノのした事と言えば、せいぜいこの五番倉庫に詰めていた二、三人の見張りを伸した程度である。昼間、年少組だけで行動した時に多少暴れているとはいえ、少々物足りない部分はある、と心中でマキノはぼやいていた。
「了解です、先輩。じゃあシャッター前に立ってるんで」
禾熾に答えながら外へと移動する。最近は本当に大した任務がなく、カンナビで暇を持て余していた。ようやくやってきたCMドール関連の任務ですら肩透かしに終わるのかと落胆していただけに、続きがあるのはありがたい。
(いい加減、進展がないと精神的にもツライよなー。何か合流した時に、先輩とヤマさんもいい物見たって言ってたし、何か今回期待できそうで楽しみかも)
正直、これだけ書いて全部ボツる時は半泣きですw
自分の書くスピードから言って、多分余裕で1時間~半日分の進捗丸々無かった事になりますものでorz
この時は話が冗長になりすぎるという判断で、このシーンをカットしてさっさと4人管理棟に集合させたんですが、会話のやりとりはほぼそのままですw だからそんなにダメージ無かったんですがね、実際は。
次は短め。
○同じくファイル2の3、フィリアの朝の場面。
「フィリア、今日から歯ブラシ換えてあるからね。前のやつ、随分毛先が開いてたから、同じ歯ブラシの新品を置いといたよ」
朝食を終えて洗面所へ行くフィリアに、食器を洗いながら声をかける。返事は無いが言葉の理解に問題はないらしく、今まで彼女がサクの指示を(不満に思って癇癪を起こした事はあるが)無視した事はない。
スーパーHPドールが居たこの家には食器洗浄乾燥機がなく、洗ってすすいで水気を拭き取るところまで全て手作業である。すすいで食器カゴに入れた食器が雪崩れ、ガチャガチャ鳴るのに肩を竦めながらサクはカランの水を止めた。救いは食器がホームセンターで売ってあるような安物な事だろうか。背後の食器棚に美術品の様に納められている、家電と同レベルの値段のする食器など正直触りたくない。
「これが終われば、今日は何をしようかな……」
普段は店番をしているので、店が休みともなればする事が無い。掃除は一昨日の定休日にしたばかりなので軽くで良いだろう、そう思案しながらサクは食器を拭いた。朝のルーチンワークが終われば、フィリアは昼食まで自室で黙々と本を読んでいる。その間彼女に関してするべき事は無い。
「……多少は練習でもしてみますか」
食材の詰まった冷蔵庫を見遣って呟く。早朝、日の出よりも随分早く出たアサキは「戻るのは夜になってから」と言っていた。時間はたっぷりある。主人に「不味い」と言われっぱなしも癪だ、とサクは料理練習にその日一日を費やす事を決意した。――出来の評価をする人間の不在に彼が気付くのは、もう少し後の事になる。
本採用稿では、フィリアの朝風景は説明(地の文)だけでさらっと流して、本格的な場面はとってないんですが、最初はこんな朝風景を入れてました。これも、流れが冗長になりすぎるかとカット。
1場面として入れると、どうしてもある程度の量書きたい(逆に言えば細切れにしたくない)と思ってしまって、その場面の視点主(1つ目ならマキノ、2つ目ならサク)がある程度満足するところまで動かしてやることになります。すると、長くなるんだなw
最後はファイル3から。
○ファイル3の3、アサキがHPドール直すために作業場で昼ごはん食べてるシーン。何処に入るかは、本文探していただけば、冒頭部分と同じ文章の場所がありますw
ふん、と鼻を鳴らして椅子を回転させたアサキは、ディスプレイに向き直りながらついでのように付け加える。
「ああ、それから、そろそろジャガイモ禁止令も解除だ。程ほどにしろよ、程ほどに」
ジャガイモ禁止令とは、アシハラから帰ったその晩から、三食続けてジャガイモばかりを食わされたアサキが「当分ジャガイモは食いたくない」と言ってジャガイモの使用を禁止した事を指す。
「意外に早い解除ですね」
一週間程度ジャガイモを食べない事は稀ではない。一月くらいを覚悟していたサクは驚いて問うた。
「フィリアが気に入ったんだろう。あれが好物を示すのは珍しいからな」
ブラオと葛葉の襲撃があったその日の昼から、更にアサキが音を上げた後まで丸二日ほど、ジャガイモ料理ばかり食べたフィリアだったが、特別機嫌を損ねることもなく淡々と食べていた。てっきり何の感慨も無かっただけだとサクは思っていたが、そうではないらしい。
「え、そうなんですか?」
意外な言葉に目を丸くするサクに、ちらりと視線を向けてアサキが軽く肩を竦めた。
「卵は四食目でハンストに遭ったぞ」
おそらくHPドールが壊れた当初の頃の話だろう。アサキが卵料理ばかり作る様子を想像して、サクは笑いを噛み殺す。正直に爆笑したら湯呑みが飛んでくる危険があるためだ。それでも洩れる笑いに気付いたのか、アサキが不満げに鼻を鳴らした。
ちょっとアサキとサクがいちゃついてるんですがw 長くなるのでカットカット。2番目のボツ稿でも出てくる料理練習(実際にはイモを剥きまくった事になってる)のその後です。
ナニゲにフィリアたんフラグも立ってるww
ちなみにファイル4も、最初のボツ稿より長いボツ稿(ファイル4の予定量の1割近くw)がありまして、まあ、こんなボツ作ってるから進まないわけですよ。流石に公開はしません。当分出来ません、ネタとか伏線的な意味で。
そんなわけでボツ稿特集でした。
殆どが幕間こぼれエピソードなので、何処の間に入るものか探していただければうれしいなぁとか思います。
それではまた次回!
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